タカラ塗料のブログ

刷毛塗全塗装タカラ塗料デモカー制作完全レポート!

当店の人気商品の一つで2013年から発売しております刷毛とローラーで車をつや消し塗料で全塗装しよう!という商品があります。

HPはこちら

もともとニーズの高かった車への全塗装ですが、従来の塗り方ではコンプレッサーやガンを用意したり、周囲への飛散を注意しなくてはいけなかったりと気軽に行えるものではありませんでした。
刷毛やローラーで塗ってしまえれば簡単ですが、車のパネルはとても平滑にできていまして艶あり塗料で塗ると、いかにも「塗った!」という刷毛ムラやローラームラが目立ってしまいます。

ですがつや消しで塗るといい感じにムラが目立たなくなるので、ガソリンに強く車に適した3種の種類の塗料でつや消し塗料をおすすめのオリジナルカラーで販売しております。

その刷毛塗り全塗装のデモカーとして使っておりますハイゼットカーゴを作った過程をご紹介させていただこうと思います。
アメブロでくどくどご紹介している記事をリライトしました)

経緯としましては、「塗料屋の車が白いままなのはおかしい!」と考え、また刷毛塗り全塗装を思いついてから「絶対に自社の車も塗り替えなくては!」と実行しました。

上記写真を見ていただけるとわかるのですが(間違い探しのようですが)下記のメニューで塗り替えていきます。
・アクリルラッカーで塗る
・上部と下部をグレイッシュダークグリーンで塗る
・真ん中はオリーブカーキ
・車内はサンドカーキ
・ホイールはさび色
・顔とサイドステップとバンパーは純正からキャルステージ社製フレンチバス仕様に交換
・ビニールのシートカバーを革調にエイジング塗装
以上になります。

色の決定について

当店は色を作るのは得意ですが、色を決定するとなると無限に作れる分悩んでしまいます。。
ですので思い切ってデザイナーさんに丸投げして塗り分けを決定いたしました。

これをもとに実際に塗料で作って板に塗り、車にあてがってみて色を決めるというぜいたくな方法をとりました。

フレンチバスキットについて

フレンチバスのキットはキャルステージさんから購入。
すごく高いといえば高い買い物でしたが、実際につけて数年走っていますがやはり目立ち度高くって大満足でした。

この黒い色はゲルコート仕上げと言って、プラスチックそのものの色になります。
大きな型があり、そこから抜いてこれが出来上がるのですが細かいエッジの部分など欠けたりしてパテを盛ったり修正が必要そうなところもありました。

しかし刷毛塗り全塗装するのにあたり気にならなさそうだったので今回は修正はしませんでした。

フレンチバスキットの取り付けについて

刷毛塗り全塗装にあまり関係ありませんが気が付いた点を書いておきます。

正直な感想としては素人が取り付けるのは難しかったです。
説明書もあるのですが、素人にはわかりにくくって説明のない部品があったり、とても分かりずらかったです。。
都度ネットで検索したりしてトライアンドエラーで試したり、加工したりする個所が多かったです。
一応困った点を思い出せるだけ箇条書きにしておきますね。(この件についてのご質問は勘弁してください・・)

・ボディ側の大幅な加工が必要だった
・ボンネットのキャッチ部分が合わず、車両側キット側両方加工しなくてはいけなかった
・ウインカー位置の穴を開けなくてはいけなかった
・ウインカーがLEDになり交換用リレーが入っていたのですが、説明書きがなくって何の部品かわからず困ってしまった・・
などなど。

もしやろう!と思われる方はスケジュールに余裕もって進めましょう。

足付け

600番程度のペーパーで足付け(研磨)していきます。

コツとしては少し曇る程度で大丈夫です。上記写真は黒のゲルコートが白っぽくなるまで磨いた写真です。
これよりもう少し軽めでも大丈夫です。

これをすることで車体についているワックス分を除去することができます。

ちなみに純正塗装を全部取らないと全塗装できない!と思われる方もいらっしゃいますが、純正塗装とこれから塗る塗料がよく引っ付けば大丈夫なのです。
純正塗装をはがしたほうがいい場合は下記のケースです。

・純正塗装がさびなどではがれかけている
・レース車両などで少しでも軽量化したい場合
・純正塗装ではない何かの塗装がされていて、上塗りしたときにふくれたりめくれたりする
などなど。

よく純正塗装が劣化してぼろぼろになってきてる場合は、全部はがさなくてもいいですが塗装の膜の境目を触ってみて段を感じられたら平らになるぐらい研磨はしてください。

左:劣化した純正塗装   右:段がなくなるまで研磨後
お客様のカローラフィールダーの例。赤は特にトラブルが多いようです。

脱脂

今回はラッカーシンナーを布につけて車を全体拭きました。

ラッカーシンナー以外でもシンナー類(ペイントうすめ液)、シリコンオフも用意しております。
またシンナー類を使わなくても、台所用洗剤で洗車してもOKです。
ただその場合は車用のシャンプーを使うとWAX分が入っている場合があるので注意。

下地剤を塗る

プラスチック類は塗料が引っ付きにくいので、下地剤を塗ります。
当店でおすすめは非鉄バインダーとなります。

ちなみにFRPパーツは塗料がまだ引っ付きやすいので、下地剤を塗らなくても結構ひっついたりします。


右上が非鉄バインダー後のホイール。ホイールもさびないようにメッキされていたりするので、塗っておいたほうがいいです。

塗装する

塗装は塗りにくいところは刷毛で、広い面積はローラーで塗っていきます。
刷毛は毛の抜けないもの、ローラーも毛が抜けにくく、かつ短毛のものを使います。

塗り方のコツとしては少し薄めすぎぐらいに薄め、薄くかすれるように塗っていきます。

乾燥後にまた薄くかすれるように(なでるように)重ねていきます。
あまりごしごしと同じ個所を何度も塗ると前に塗った塗料が溶けてはがれてしまいます。
何度も乾かすようにします。

色が付きだすとしっかりとしてきます。

もし艶ムラなどが出る場合は、よくかき混ぜてもう一度薄めの塗料で表面をなでるように塗ると艶がそろいやすいです。

ツートンカラーの場合

初めての刷毛塗り全塗装だというのに、デモカーでは色気を出してツートンにしてしまっています。
ラインを決めるときに何か目安はあるのかと思っていたのですが、思いのほか思い切りよくテープを貼っていったほうがよさそうです。

またマスキングテープを貼っていくのは大体2時間以上は乾かしたほうが無難です。

車内の塗装

外装は実はそんなに難しくなく、実は車内やドア内が手間がかかります。

外装がかっこよく塗りあがっても、いざ乗るときに白い部分があるとがっかりしてしまいます。

実はこの車内の作業だけでちまちま1か月ぐらいかかってしまいました。

完成後のメンテナンス

塗装が終わった後のメンテナンスはラッカーの場合は洗車機に入れても大丈夫です。
ただWAX洗車をしてしまうと変な艶が出てしまうかもしれないのです。要注意。

また2年ぐらいたったら色が褪せてきますので、もう一度軽く全塗装すれば復活します。

ちなみに当店のデモカーはほとんど洗車をしたことがありません。
もともと艶がないので汚れても気になりません。

こちらのページを見られて塗装を考えておられる方は、ぜひ一度ご検討くださいませ。

たくさんのお客様事例がある刷毛塗り全塗装のページはこちら

刷毛塗り全塗装

非結晶PETの塗装の続編

以前書かせていただいた非結晶PETをラッカーで塗ったら、数か月後に割れやすくなってしまった件がありました。

http://takaratoryo.com/2016/11/25/%E7%9C%9F%E7%94%B0%E5%B9%B8%E6%9D%91%E3%81%AE%E7%94%B2%E5%86%91%E3%81%A8%E9%9D%9E%E7%B5%90%E6%99%B6pet%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

そのお客様の実験でフタル酸なら割れない!という結果が出たそうです。

フタル酸で実際に塗ってみて1か月放置、そして顕微鏡で見てみるとラッカーで塗った場合と明らかにクラックが激減。

実際に曲げ強度も損なわれていなかったそうです。

思う存分チャンバラできるように!

『ペイント&コーティングジャーナル』(2017.1.18発行)にて、当店が紹介されました

『Paint&Coating Journal』という業界紙の一面にて当店のことをご紹介いただきました。

http://www.coatingmedia.com/news/archives/2017/01/post_7248.html

こちらにWEB版の記事が掲載されています。

 

 

タカラ塗料外観リニューアル!2016・・・正面大看板編

看板をイメージするにあたりまして、ロンドンの看板をたくさん見ていました。
それで固まったイメージは、
1、モールディングを多用する
2、看板上部にグリーンを置く
3、グリーン手前には柵、または柵状のものを置く
でした。

とりあえずモールディング部が定まらないといけないので、大浦さんに見本を作ってみてもらいました。

それがこちら。


文字部分は前出のエイジングカルプ文字。


今回本当はすべてみはしのサンメントPVCやファイポンの硬質ウレタンのような雨にあたっても大丈夫な素材で作り切れればよかったのですが、ちょうどいい素材が見つからなかったので仕方なく木材も使うことに。
ただ腐りにくいようにシーラーをしっかり塗って木の呼吸を止め、さらに上塗りを2、3回と多めに塗装しました。
そしてそれを盛ってつけていきます。

 

さらにその看板上部にはフェンス状のものを置き、その中にアイビーなどを置いてちょっとしたガーデニングの場所にしたいというこだわりがありました。
参考にしたのはこれらの画像。

まず困ったのはフェンス部分をどうするか。
本当のフェンスをおくとなるとかなり大掛かりな工事になりそう。
最初はこのフェンスで考えていました。

しかしこのフェンスだとモルタルで埋め込む部分が必要になります。
そしてあんまり重たくしたくない。。

そして外でも使えるよ!という紙粘土を使って矢じりを作って実験もしてみました。


シーラーを塗って塗装してみても、1時間ぐらい水につけているとふやけてしまいました。
これでは長期間外壁につけておくのは少し怖いですね。

ですので考えた挙句、矢じりを購入したメタルクリエイトさんで花台とは違う矢じりを購入して、宜本さんにこのようなものを作っていただきました。


ごつめの矢じりを板に溶接していただき、さらに取り付け穴をあけていただきました。
それを錆止め塗ってまたオフブラックに塗って錆エイジングしています。
次に困っていたのがポットをどのようにして置くか。
ゆくゆくは水やりに困らないように定期的に水をやるシステムを組むとしても、常に湿気がかかってしまうので下の看板が腐ってしまわないか心配。
考えに考えた結果、大型の雨どいを乗せることにしました。

もちろんそれが表から見えないようにモールで隠しました。


最終的な図面。


文字を貼るために下書きする大浦さん。


エイジングした文字を張り付けていきます。

屋内でできる作業が終わったら、いよいよとりつけ。


古い看板に下地のアルミの棒を張り付けていきます。こちらも手書きで書いた思い入れのある看板。


カルプ文字の新看板を取り付けていきます。


ビスを打ったところにパテ。


足場をばらす寸前。


足場がとれた直後。

そしてここからアイビーを入れていきます。
アイビーは家で育ててたアイビーの柄がよくって、それを置きたいと思っていました。

ただあんまり売っていない品種のようで、どこに行っても売っておらず増やすしかありませんでした。
でも2年前からさし木で増やそうとしていたのですが、なかなか根付かない品種のようで根が出ない。。

なんとか20ぐらいは用意できたのですが、計算してみると50近い株が必要になります。

それで困ってしまったので、ゼラニウムをご用意いただいたBotanical Azureさんで似たような品種(ミントコリブリ)をご用意いただきました。

 


そして配置。

 


これで一応の完成!
春になればさらにツタが育ってわさわさになればと思います。

ただ細かい看板灯などの作業が残っていますが、それ以上にいつ来てもどこか変わってる!っていう状態を目指して、常にブラッシュアップしていこうと思います。

 

タカラ塗料外観リニューアル!2016・・・サインアート編

当店の東側に以前は隣の会社の事務所が立っていたのですが、それが当店の工事の数か月前に取り壊しになり汚い壁面が丸見えになってしまいました。
あった建物までの距離も近く、メンテナンスもいきわたらなかった場所です。
本来見えてなかった、またお客様に見てほしくなかった汚い面を、きれいに、かっこよく生まれ変わらせて、逆にここを見ないと帰れないようなスポットにしようと、大看板を書いてもらったライさんにでっかくサインペイントをお願いしました。

書いていただくのは当店の人気色の色名。
載せてほしい優先順位とフォントをいろいろ使ってほしいとだけお伝えして、あとのデザインはお任せしました。

上がってきましたデザインはこちら。

ボロボロ状態に書いてもかっこよさそう。
そして大看板が終わり次第着手していただいたのですが思いのほか時間がかかってしまうようでした。。

一番苦慮されていたのが、何度もフィラーを塗られてテクスチャが付きまくったこの壁面。
しかも壁面のエントランスグリーンと白とのコントラストが強い、なんども塗らないと色がつかない。。

このダブルでの大変さに、1日かかってBRASSが書ききれなかったそうで。。
ここから方針変更してライさん得意のスプレーも取り入れながら進めていくことになりました。
スプレーを使うと凹凸は気にならなくなり、ぼやけた部分も濃い色で修正する分には早いようです。
これで急激にスピードアップ。

さらに養生のシートもついていると文字のバランスがわかりにくいとのことで途中からどんどん外していくことに。
結構あのシートってついていないと怖いんですよね。しかも見てるほうが怖い。。

   
下のほうを塗っているときに人の大きさと比較すると、すごく文字が大きく感じます。

 

そしていよいよ完成し、足場が取れる前にみんなで記念撮影!


そしてまた描いていただいているシーンを動画にまとめました。

サインアートは足場が外れるギリギリまでかかったのですが、もう一つ、ギリギリまでやっていたのが正面大看板。
そちらについて次回は書いてまいります。

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タカラ塗料について

当店・株式会社タカラ塗料は昭和24年から続く塗料店です。
塗料の販売、塗料の色を合わせる調色、オリジナル商品の開発、全国へのインターネット通販を行っております。

オリジナル商品

当店では、お客様との距離が近い分、
「こんな塗料が欲しい!」「こんな色で塗ってみたい」「あんな商品があったら便利なのに」
という声を日々いただきます。
その声にお応えすべく、既製品にないものは自分たちで開発。そんな思いから生まれた、タカラ塗料ならではのオリジナリティ豊かな商品をご紹介します。

  • タカラ塗料オリジナルカラー

    142色の美しいマットな TAKARATORYOオリジナルカラー

  • 水性ステイン

    珍しいホワイトや古材風色の 水性ステイン

  • ペインタブルテープ

    貼って塗って剥がせば原状回復 ペインタブルテープ

  • ラストブロック

    サビを完全に落す必要なしの下塗り剤 ラストブロック