2025年4月30日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
今回はプリント合板に塗装をするにはどうすればいいのかについて書いていきます。
第二工場の塗装前のプリント合板
プリント合板とは?
まずプリント合板は木なのか?ということですが、基本的には表面は木ではありません。
樹脂系だったり紙だったりすることもあるのですが、表面は「プラスチック」と考えてもらえたらと思います。
プリント合板の見分け方
見分け方は・・・難しいんです。。
最近のプリント合板はとても見分けがつきにくいのですが、壁に貼ってる状態ならヒントがあります。
それは「同じ模様を探せ!」です。
このようにプリント合板はよく見ると同じ柄がちょいちょい出てきます。壁紙などと同じ印刷系にはありがちなポイントで、同じような柄がたくさん出てきます。
こうなったら間違いなくプリント合板です。
プリント合板を塗りたい場合は?
プリント合板はそのまま塗るとほぼ間違いなくはがれてしまいます。
実験をしてみました。
様々な条件でプリント合板に塗装をして、マスキングテープとガムテープを貼ってはがして引っ付いているか?という実験をしました。
詳しい結果はこちら
プリント合板に直接水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ ×
ガムテープ ×
爪で削る ×
プリント合板に320番の紙やすりをかけて水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ ×
爪で削る ×
プリント合板に320番の紙やすりをかけて含浸シーラーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ △
爪で削る ×
やすって直接水性塗料を塗るよりはまし。
プリント合板に320番の紙やすりをかけてメタルコートプライマーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ ×
爪で削る ×
やすって直接水性塗料を塗った結果と一緒。
プリント合板に320番の紙やすりをかけて非鉄バインダーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ 〇
爪で削る 〇
かなり強めに削ろうとしないと削れない。
でも非鉄バインダーを大きい面積に塗ると臭い。。
プリント合板に塗るなら まとめ
上記の結果から、
・紙やすり必須!
・壁を塗るぐらいなら含浸シーラーを塗ってから
・家具や扉など人が触れたりモノが当たったりするところは非鉄バインダーを塗ってから
という結果になりました。
まあ自分の家で手軽に塗りたいっていうぐらいなら、やすってから下塗りなしで塗ってもいいかな。。
という塩梅です。
含浸シーラーはこちら>>
非鉄バインダーはこちら>>
2025年2月10日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
内装の塗装に使う塗料に関しては必ずホルムアルデヒドの発散等級というのがついています。
「F☆☆☆」とか「F☆☆☆☆」などのマークが缶に印刷されていると思います。
これらは何かというと、「F」はホルムアルデヒド(Formaldehyde)の略で、発がん性やアレルギーの原因となるホルムアルデヒドが発散しにくさを示しています。
内装に無制限に使えるのが「F☆☆☆☆」で、「フォースター」と読みます。
こちらフォースターでもホルムアルデヒドが全くでないのではなく、2時間に1回換気をすれば問題ないレベルにまで下げれるものになります。
誤解①「F☆☆☆☆」だとホルムアルデヒドが全くでない
→上記の理由からホルムアルデヒドが全くでないわけではありません。
誤解②「F☆☆☆☆」はめっちゃ安全
→ホルムアルデヒドだけの基準であり、そのほかのものにも過敏症の方がいらっしゃるとVOC(その他有機溶剤系)で引っかかる方もいらっしゃいます
(となると芳香剤なども×になったりも)
誤解③「F☆☆☆☆」の塗料は強い
→ホルムアルデヒドがあんまりでないだけで強さの評価ではありません。
誤解④「F○○」はすべての塗料についている
→内装塗装に使うものにはついているが、外装塗装、工業塗料などにはつける必要がない
となかなか「F☆☆☆☆」ってミュシュランの星のようについているので塗料自体の評価だと思われる方もいらっしゃいますが、あくまでもホルムアルデヒドの発散量の少なさのことなのです。
2025年1月23日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
今日は透けやすい色の下地色のお話です。
塗料の中で透けやすいのは真っ白や赤や黄色系の色なのですが、中でもより色が透けやすいのが「レモンエロー」系の色なのです。
レモンエローは塗料にも原色があり、本当に透けやすい色です。
調色で使う時も透けやすすぎるので、必要そうな色があってもまずはそのほかの黄色系の色から調色を考えます。
そんなレモンエローを実験してみました。
いろんな色に塗られた色見本の板に水性アクリルの艶消しのレモンエローを4回塗りしました。
4回も塗るとぱっと見はすべてレモンエローになっているのですが、重ねてみると、、、、
このように白っぽかったり黒っぽかったり、そして赤さびのような色に塗った板は肉眼で見るとやや赤っぽいようにも見えます。
このように下地の色に左右されやすいのがわかると思います。
29-80V、27-80V、29-80Vあたりの色は、N-80、27-85VはN‐85などそれぞれの明度に近い無彩色を下地に塗ることで本来の色が少ない塗装回数で出すことができます。