タカラ塗料のブログ
2025年6月19日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
先日いろいろな実験のために屋上に上っていますと忘れていた缶を発見しました。
それがこちら。多肉が詰まっていますけど、ゴールドの缶なのです。
これを塗ったときの写真を探したんですけどスマホを持っている時代ではなく、おそらく2010年頃にパール顔料のゴールドの粉を手に入れ、当時は水性に混ぜるっていう発想はなく2液のウレタンに混ぜて空き缶に吹き付けた覚えがあります。
そして耐候性を確かめるために土をいれて植木鉢にして屋上に放り出して10年以上たっていると思います。
やや褪せてる缶はあるもののゴールドっぽさは失われることなくまた2液ウレタンなので艶も残ってますね。
ちなみに当時は2液ウレタンに混ぜたゴールドはちょっと保管すると沈殿してカチカチになってしまい(ハードケーキングといいいます)貯蔵安定性が悪いので発売には至りませんでした。
その後水性の相性がいいクリアが見つかり、それに混ぜることで水性アクリルゴールドが完成。現在も人気の商品となっております。
そしてこの缶は回収することなく更なる耐候性試験のため屋外に放置されています。
TAGS:ゴールド&メタリック 塗料実験
2025年6月17日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
今日も屋根に上って実験をしていました。
今日の実験はこちら。
いろいろな色を並べて表面の暑さを計る実験をしてみました。
だいたい色が濃いほど太陽の熱を蓄えやすくなり暑くなるっていうのが常識ですが、今回はそれをわざわざ実証しました。
実験方法
アルミ複合板の板に以下の色を調色して塗る。
塗料は水性のウレタン艶有を使い、色は種ペンを使って調色する。ただし、種ペンは黒だけを使い、日本塗料工業会の色見本の色に厳密ではなく色の濃さだけを合わせたものを塗っている。
6/17 11時10分に板を展開し、約一時間後に測定する。気温は31度。
作成した色
原色白 N-82 N-75 N-70 N-60 N-50 N-45
結果
原色白 47.9℃
N-82 51.9℃
N-75 55.3℃
N-70 56.8℃
N-60 60.7℃
N-50 60.8℃
N-45 62.8℃
という結果になりました。
N-60とN-50がほぼ誤差って感じになりました。
もっと暑い日にやればもっと差が出るのか?
またあっつい日に屋上に上がってみてみようと思います。。
TAGS:調色 塗料実験
2025年6月16日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
最近何度も会社の屋上に上がって、いろいろな試験をして知見を広げています。
またそれぞれの実験の詳細はお伝えするとして、直近でびっくりしたのがこちらの耐候性試験。
T社の有名なアクリルの絵具の紫色に各社UVカット塗料を塗って外に放り出した試験。
塗料の上に塗ってもなかなか色褪せてくれないので、絵具にしてみました。しかしこちらの絵具、プロも壁画に使っているそうで、色が飛んでしまって困ることがあるという話がありました。
それを食い止められればと思っての実験です。
・・・とそれがこの板を外に放り出したのが5/29。
そしてこれが今日の様子です。
まだ1ヶ月もたってないのに!18日でこんなに褪せるとは…
もうちょっと置いて実験を延長してまた結果をご報告します。
TAGS:塗料実験
2025年4月30日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
今回はプリント合板に塗装をするにはどうすればいいのかについて書いていきます。
第二工場の塗装前のプリント合板
プリント合板とは?
まずプリント合板は木なのか?ということですが、基本的には表面は木ではありません。
樹脂系だったり紙だったりすることもあるのですが、表面は「プラスチック」と考えてもらえたらと思います。
プリント合板の見分け方
見分け方は・・・難しいんです。。
最近のプリント合板はとても見分けがつきにくいのですが、壁に貼ってる状態ならヒントがあります。
それは「同じ模様を探せ!」です。
このようにプリント合板はよく見ると同じ柄がちょいちょい出てきます。壁紙などと同じ印刷系にはありがちなポイントで、同じような柄がたくさん出てきます。
こうなったら間違いなくプリント合板です。
プリント合板を塗りたい場合は?
プリント合板はそのまま塗るとほぼ間違いなくはがれてしまいます。
実験をしてみました。
様々な条件でプリント合板に塗装をして、マスキングテープとガムテープを貼ってはがして引っ付いているか?という実験をしました。
詳しい結果はこちら
プリント合板に直接水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ ×
ガムテープ ×
爪で削る ×
プリント合板に320番の紙やすりをかけて水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ ×
爪で削る ×
プリント合板に320番の紙やすりをかけて含浸シーラーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ △
爪で削る ×
やすって直接水性塗料を塗るよりはまし。
プリント合板に320番の紙やすりをかけてメタルコートプライマーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ ×
爪で削る ×
やすって直接水性塗料を塗った結果と一緒。
プリント合板に320番の紙やすりをかけて非鉄バインダーを塗り水性塗料を塗る
結果
マスキングテープ 〇
ガムテープ 〇
爪で削る 〇
かなり強めに削ろうとしないと削れない。
でも非鉄バインダーを大きい面積に塗ると臭い。。
プリント合板に塗るなら まとめ
上記の結果から、
・紙やすり必須!
・壁を塗るぐらいなら含浸シーラーを塗ってから
・家具や扉など人が触れたりモノが当たったりするところは非鉄バインダーを塗ってから
という結果になりました。
まあ自分の家で手軽に塗りたいっていうぐらいなら、やすってから下塗りなしで塗ってもいいかな。。
という塩梅です。
含浸シーラーはこちら>>
非鉄バインダーはこちら>>
TAGS:塗料のうんちく 塗料の豆知識 塗料実験
2025年4月21日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
撮影のためにフィラー(大日本の弾性フィラー1液テクトMAX)が思いっきりあまりました。
メーカーに少量でもサンプルもらえれば助かるんですがこちらは出せないそうで。仕方がないので一斗缶で購入して撮影しましたが、使ったのはほんの6分の1程度。
余ったフィラーをなんかできないかと考えているときに、インスタで見たこんな投稿。
多分アートの人が使うメディウムとかやと思うんですが、こんな風になら使えるかも、とやってみました。
これがフィラーです。
これに赤を入れていきます。
なっかなか赤になっていかないなぁと思い赤を足し続けるとゆるくなってきます。
ゆるくなっちゃうと角が立たなくなっちゃいまして、ただちょっともっさりした塗料って感じなので、粘度を上げるために「アエロジル」というシリカの粉を混ぜます。
いつもアエロジルを脳内では「アロエ汁」と変換してしまい正式名称を忘れてしまいます。
そんなことを考えていると入れすぎました。。
ぼそぼそになっちゃいました。。
仕方がないのでまたフィラーを足します。
こうするとポットでかき混ぜるのが困難になってきたので、もう塗る予定の板にぶちまけます。
そして練って練って、完成したのはこちら。
これはアートなのでしょうか。。ただただ重く、チクチクする板ができました。
これを練ってる時の動画をインスタにあげましたので、ASMRをお楽しみください。
TAGS:塗料実験