タカラ塗料のブログ

種ペンとは? 種ペンを使った調色方法

種ペンとは主に水性ペンキに添加することによって色を調節できる、いわゆる「種」の「ペンキ」の略です。
水性塗料で塗る外壁や内壁は主に白っぽい色が多いので、白に種ペンを入れて調色することによって建築塗装色の淡彩色系のほとんどの色が出せる便利なものです。

こちらユニラントのハイコンク。油性系の調色に使います。

ただ、もとの色から大幅に色を変えることが出来ま せん。
( 添加できる 量が5%程度まで)
ですので黄色い色を作りたいときは黄色から、赤っぽい色なら赤からと、もとになる色に近い原色から調色し、少しの変化を与えることができます。
また種ペン自体は塗料ではなく、あくまでも色の原料みたいなものなのでそのまま塗るのには適しません。必ず何かの塗料に混ぜて使います。

ちなみにユニラントのハイコンクは油性用なんですが使える塗料、使えない塗料があります。
水性用はIPカラーというものを販売していますが、こちらは大体の水性塗料で使用できます。

具体的な調色の方法
1、塗りたい範囲にどれだけ塗料がいるか計算する。
大変な思いをして色を合わせていざ塗り始めても、もし作った色が足りなければまた作らなければなりません。また作りすぎてしまっても使い道がありません。ですので、ペンキがどれだけいるのかを計算する必要があります。

まず塗りたい範囲がだいたい何㎡ぐらいあるかをはかります。
ただ塗装したい面がザラザラだったり、模様がついていたり、何も塗っていないところに塗ったり、波板などに塗る場合、余計にペンキがいります。そんなときは何㎡かを出したら、それから1.1~1.4倍ぐらいとします。

それから、ペンキによってかわってきますが、概ねペンキ1キロで1回塗りで6㎡ぐらい塗れるので、面積を6で割ります。これで何キロのペンキがいるかがわかります。

例1) 幅4m奥行き5m天井までの高さ3mの部屋の壁と天井を塗る。
壁 4m×3m=12㎡が1面 5m×3m=15㎡が2面 天井 4m×5m=20㎡が1面
合計 74㎡
必要なペンキの量は・・・
74㎡÷6=約13kg(1回塗り) 2回塗りの場合は25kgほど必要。

例2) 窓も入れて100㎡ほどの吹きつけタイルの模様がある外壁面の塗り替え。
窓はあまり大きくない窓の場合、無視して塗装面積にいれて計算してもいいです。でもベランダの出入りできる扉などが多い場合は、正確に計算したほうがロスが少ないかも。
今回壁面に模様があるので1.1倍します。
100㎡×1.1=110㎡
6で割ると、約18kg。2回塗りで36kg、つまり一斗缶 2 缶ほど必要です。

実際に塗りだすと、刷毛やローラーに含んだままになったり、マスキングしたところを塗ったり、こぼしたりとロスがあります。そのロスを考えて、多めに作るといいと思います。

2、目標となる色、作りたい色と現在の塗料の色の差を考える。
作りたい色と現在の塗料の色を見比べて「黄色っぽい」とか「黒っぽい」「赤っぽい」など、どの種ペンを入れるかを考えます。特に外壁などの場合、あとから完成した色で塗りなおすので、塗ってみて色差をみてもいいでしょう。

3、はじめは少量のベース色に少量づづ入れてみる。
たとえば1斗缶分のペンキに色をつけたいとき、4kgぐらい先にとって、それを調色して完成させるつもりで種ペンを入れていきます。
もし色がつきすぎた場合でも、ベース色を入れれば復帰できるからです。
はじめから1斗缶分のペンキに種ペンを入れていくと、濃くなってしまった場合には捨てるか、さらに 1 缶分の塗料を足すか、我慢して濃い目を塗るかしなければなりません。そうなると無駄になるので、最初は少量のペンキから始めて徐々に増やしていくと無駄になりません。

4、色のつきやすさ。
一般的に種ペンを使ってアイボリーを調色する場合、以下の色を使います。
黒、赤錆、黄色(オーカー)
この中で黄色は効きにくいのですが、黒と赤錆がとても色がつきやすいです。少量入れたつもりが効きすぎた!なんてよくあります。
時には 1 滴 1 滴とつけなくてはなりません。
また乾くと色が出やすいのも、黒と赤錆、紺です。

5、乾燥後の色をみる。
水性塗料の樹脂は一般に乾燥前は白っぽく、乾くと透明っぽくなります。ですので、「白っぽいな」と思っていても、乾くと意外に色が出てきたりします。特に黒、赤錆、紺などは乾くとものすごく色が出てきます。乾かしてみたら色が濃すぎる!なんて失敗が多いです。
基本は「少量種ペンを足す」→「乾かして色を見る」の繰り返しです。結構大変な作業です。
最終的にあわしたい色にできた色をちょっと塗ってみて、離れてみてもわからない程度になればばっちりかと思います。
ぜひ挑戦してみてください!

またわからないことなどあればお気軽にご相談ください。

水性用の種ペンIPカラーはこちら
油性用の種ペンハイコンクはこちら

タカラ塗料特製平刷毛のこだわり

タカラ塗料の代表大野です。

今日はタカラ塗料の特製の平刷毛の開発秘話でございます。

タカラ塗料のオリジナル特製平刷毛

まずタカラ塗料ではよく平刷毛、目地刷毛と呼ばれる刷毛をよく使っていました。

下の刷毛がいわゆる目地刷毛です

この目地刷毛、初心者でも細かいところが塗りやすかったり、軽かったりと小さいものを塗るのに重宝してたのですが、ちょっと気に入らないところがありました。

それは
・塗料の含みが少ない
・なんかペラペラ
・柄が長すぎる
です。それを解決したのがタカラ塗料のオリジナルの刷毛になります。

塗料の含みがいい
少し目地刷毛よりも厚めに作ってるので塗料の含みが良く、広い面積を塗ることができます。

上がオリジナル、下が目地刷毛です

手にしっくりくる女性らしいライン
一番こだわったポイントでもあるのですが、やや柄の部分を厚めにしていますが持ち手の部分を少しえぐって鉛筆持ちしやすく作っています。
海外の刷毛っていろいろなデザインがあって楽しいのですが、日本の刷毛の柄は真っ平らでどこか男っぽい、工業製品っぽいデザインなのが気になったので下絵を描いて理想的なラインを作ってもらいました。

上がオリジナル、下が目地刷毛です

柄が短く4㎏缶や3㎏の容器にも入れたまま保管できる
これが一番のこだわりポイント。一度に塗り切れなかった時など刷毛を塗料の中に入れたままふたをしたい場面って結構あるのですが、目地刷毛だと長すぎて途中で切ったり折ったりして入れていました。
それをしなくても保管できるのがとてもいいポイントです。

汚い刷毛の写真で恐縮ですが。。

目地刷毛は中に入りきらないっていうのもいいポイントなのかもしれませんが、DIYにおいては途中でやめることもあるので刷毛ごと保管できるようにしました。

ちなみにナイロンの毛は耐溶剤性も強いので油性塗料にもお使いいただけます。シンナーに長時間付けても大丈夫なものを選定しました。

ぜひ各サイトにありますのでお買い求めくださいませ!

なぜ刷毛塗用水性は刷毛塗用2液ウレタンより長持ちするのか?

タカラ塗料の代表大野です。

今日は
なぜ刷毛塗用水性は刷毛塗用2液ウレタンより長持ちするのか?
についてウンウンチクチクと書いていきますね。

通常車の補修塗装は2液型の強溶剤ウレタンが使われます。理由は硬化剤を入れるのでガソリンにも強く、強く艶が出て、太陽光などの外的要因にも非常に強く、硬いためです。

ですので刷毛やローラーで塗るにも2液ウレタンがいいのではという考えもあります。僕もありました。ただ、刷毛やローラーで塗る用の2液ウレタンにするといろいろな要因で水性より弱くなってしまうのです。

まず刷毛やローラーで塗ってそこそこきれいに見えるようにするために艶消しにする必要があります。よく刷毛やローラーでぬる艶有はありますか?と聞かれますが、それできれいならそっちのほうがいいのですが、もうムラムラになってしまいますのでお勧めしていません。

そして艶消しにするには艶消し剤(フラットベース)を入れるのですが、2液ウレタンはもともと乾燥後の塗料の膜(塗膜)がとても厚くつき、艶が出ます。
ですので艶を消そうと思うとかなり艶消し剤を入れないと艶が消えないのです。

さらに刷毛塗りとなるとかなり艶を消さないと膜厚が厚いところは艶が消えきらず、筋ムラがでるので、できるだけ艶を消した状態(フラットベースがたくさん入っている状態)になります。そうすると2液ウレタンの良さである樹脂分の厚みが少なくなり、艶消し剤=不純物がたくさん混ざっている状態になります。
そうなると劣化が早いのです。

水性塗料の場合は3分艶といってやや艶が残った状態でも、塗り重ねた際の厚みがあつくても、艶が均一に消えてくれます。となると樹脂分が多い状態になりますのでその分太陽光線などには強い状態を保ったままになり、劣化が遅いのです。

ですので刷毛塗用=艶消しの塗料では2液ウレタンより水性塗料が強くなってしまうのです。

今日は社内勉強会でした(トーン分類の話)

タカラ塗料代表の大野です。

今日は社内勉強会でした。内容は先日勉強会を自ら受けてきた話の中で面白かった「トーン分類」のお話をしました。

トーン分類とは「ライトトーン」や「ブライトトーン」などで細かく分類された17の区割りのことで、それをもとに配色を決める、という話でした。

ぼんやりは知っていたもののタカラ塗料での色の決め方は、机上では決めず、「実際に塗料を調色して壁に塗ってみる」という方法で色を決めています。

実際に色を塗って外壁色を決めている様子

上記の写真の時はもともとのタイルの色を残す場合に合う色を探すために直接壁に色を塗って決めているところです。
このようにして決めると色が思ったより・・・ということもない贅沢な決め方です。

とはいえ、店頭で机上で色を考えているお客様に説明できるようにしっかりと理論を覚えなくては、と思います。

タカラ塗料が塗った車はなぜきれいなのか??イベントでよく言われます その解答

タカラ塗料の代表大野です。

大阪モーターショーや先日のブラーバのイベントにてお客様がデモカーを見て何度か言われた言葉。

「塗った車を見たことがあるけど、こんなにきれいに塗ってる車は初めて見た」

です。ちょっとこのお言葉をお聞きするごとに心苦しいのですが、それには秘密があります。
それは
・プロが塗ってるから!
・非売品の道具を使ってるから!
・実は刷毛やローラーで塗らず吹き付けているから!
ではありません(笑)

その理由はバランサーを使っているからです。

暑いときにつかいましょうというバランサーですが、タカラ塗料では真冬に塗るときも「絶対に!」使います。「絶対に!」です。

なぜかというとバランサーを使うと40%ぐらいまで塗料が薄められるからです。

普通水では5-15%までなのですが、多めに薄めることができると、それだけ薄くカスカスにぬることができます。
さらに乾燥が遅いので表面張力により平らになります。

乾燥が早い
乾燥が早い

乾燥が遅いのに冬場に使っても大丈夫?と思われる方もいらっしゃと思います。
バランサーを入れても初期乾燥は早いので塗り重ね時間はあまり水の場合と変わらない場合が多いです。

ただ冬場に塗って注意が必要なのは、通常なら一晩雨にあてなければ大丈夫なのですが、バランサーを入れた場合は2-3日ぐらい雨にあてないほうが無難になります。
(まあそれは水を入れて塗った場合も同じなのですが)

ですので是非みなさんも水性塗料で塗るときはバランサーをお使いいただくことをお勧めします!
ライバルに差が付きますよ!

バランサーはこちらから

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タカラ塗料について

当店・株式会社タカラ塗料は昭和24年から続く塗料店です。
塗料の販売、塗料の色を合わせる調色、オリジナル商品の開発、全国へのインターネット通販を行っております。

オリジナル商品

当店では、お客様との距離が近い分、
「こんな塗料が欲しい!」「こんな色で塗ってみたい」「あんな商品があったら便利なのに」
という声を日々いただきます。
その声にお応えすべく、既製品にないものは自分たちで開発。そんな思いから生まれた、タカラ塗料ならではのオリジナリティ豊かな商品をご紹介します。

  • タカラ塗料オリジナルカラー

    142色の美しいマットな TAKARATORYOオリジナルカラー

  • 水性ステイン

    珍しいホワイトや古材風色の 水性ステイン

  • ペインタブルテープ

    貼って塗って剥がせば原状回復 ペインタブルテープ

  • ラストブロック

    サビを完全に落す必要なしの下塗り剤 ラストブロック