なぜ刷毛塗用水性は刷毛塗用2液ウレタンより長持ちするのか?
2024年7月11日 | CATEGORY:代表大野ブログ, 車刷毛塗り全塗装
タカラ塗料の代表大野です。
今日は
なぜ刷毛塗用水性は刷毛塗用2液ウレタンより長持ちするのか?
についてウンウンチクチクと書いていきますね。
通常車の補修塗装は2液型の強溶剤ウレタンが使われます。理由は硬化剤を入れるのでガソリンにも強く、強く艶が出て、太陽光などの外的要因にも非常に強く、硬いためです。
ですので刷毛やローラーで塗るにも2液ウレタンがいいのではという考えもあります。僕もありました。ただ、刷毛やローラーで塗る用の2液ウレタンにするといろいろな要因で水性より弱くなってしまうのです。
まず刷毛やローラーで塗ってそこそこきれいに見えるようにするために艶消しにする必要があります。よく刷毛やローラーでぬる艶有はありますか?と聞かれますが、それできれいならそっちのほうがいいのですが、もうムラムラになってしまいますのでお勧めしていません。
そして艶消しにするには艶消し剤(フラットベース)を入れるのですが、2液ウレタンはもともと乾燥後の塗料の膜(塗膜)がとても厚くつき、艶が出ます。
ですので艶を消そうと思うとかなり艶消し剤を入れないと艶が消えないのです。
さらに刷毛塗りとなるとかなり艶を消さないと膜厚が厚いところは艶が消えきらず、筋ムラがでるので、できるだけ艶を消した状態(フラットベースがたくさん入っている状態)になります。そうすると2液ウレタンの良さである樹脂分の厚みが少なくなり、艶消し剤=不純物がたくさん混ざっている状態になります。
そうなると劣化が早いのです。
水性塗料の場合は3分艶といってやや艶が残った状態でも、塗り重ねた際の厚みがあつくても、艶が均一に消えてくれます。となると樹脂分が多い状態になりますのでその分太陽光線などには強い状態を保ったままになり、劣化が遅いのです。
ですので刷毛塗用=艶消しの塗料では2液ウレタンより水性塗料が強くなってしまうのです。