2016年12月29日 | CATEGORY:代表大野ブログ, 社屋リノベーション
看板をイメージするにあたりまして、ロンドンの看板をたくさん見ていました。
それで固まったイメージは、
1、モールディングを多用する
2、看板上部にグリーンを置く
3、グリーン手前には柵、または柵状のものを置く
でした。
とりあえずモールディング部が定まらないといけないので、大浦さんに見本を作ってみてもらいました。
それがこちら。


文字部分は前出のエイジングカルプ文字。

今回本当はすべてみはしのサンメントPVCやファイポンの硬質ウレタンのような雨にあたっても大丈夫な素材で作り切れればよかったのですが、ちょうどいい素材が見つからなかったので仕方なく木材も使うことに。
ただ腐りにくいようにシーラーをしっかり塗って木の呼吸を止め、さらに上塗りを2、3回と多めに塗装しました。
そしてそれを盛ってつけていきます。

さらにその看板上部にはフェンス状のものを置き、その中にアイビーなどを置いてちょっとしたガーデニングの場所にしたいというこだわりがありました。
参考にしたのはこれらの画像。



まず困ったのはフェンス部分をどうするか。
本当のフェンスをおくとなるとかなり大掛かりな工事になりそう。
最初はこのフェンスで考えていました。

しかしこのフェンスだとモルタルで埋め込む部分が必要になります。
そしてあんまり重たくしたくない。。
そして外でも使えるよ!という紙粘土を使って矢じりを作って実験もしてみました。

シーラーを塗って塗装してみても、1時間ぐらい水につけているとふやけてしまいました。
これでは長期間外壁につけておくのは少し怖いですね。
ですので考えた挙句、矢じりを購入したメタルクリエイトさんで花台とは違う矢じりを購入して、宜本さんにこのようなものを作っていただきました。

ごつめの矢じりを板に溶接していただき、さらに取り付け穴をあけていただきました。
それを錆止め塗ってまたオフブラックに塗って錆エイジングしています。
次に困っていたのがポットをどのようにして置くか。
ゆくゆくは水やりに困らないように定期的に水をやるシステムを組むとしても、常に湿気がかかってしまうので下の看板が腐ってしまわないか心配。
考えに考えた結果、大型の雨どいを乗せることにしました。
もちろんそれが表から見えないようにモールで隠しました。

最終的な図面。

文字を貼るために下書きする大浦さん。

エイジングした文字を張り付けていきます。
屋内でできる作業が終わったら、いよいよとりつけ。

古い看板に下地のアルミの棒を張り付けていきます。こちらも手書きで書いた思い入れのある看板。

カルプ文字の新看板を取り付けていきます。

ビスを打ったところにパテ。

足場をばらす寸前。

足場がとれた直後。
そしてここからアイビーを入れていきます。
アイビーは家で育ててたアイビーの柄がよくって、それを置きたいと思っていました。
ただあんまり売っていない品種のようで、どこに行っても売っておらず増やすしかありませんでした。
でも2年前からさし木で増やそうとしていたのですが、なかなか根付かない品種のようで根が出ない。。
なんとか20ぐらいは用意できたのですが、計算してみると50近い株が必要になります。
それで困ってしまったので、ゼラニウムをご用意いただいたBotanical Azureさんで似たような品種(ミントコリブリ)をご用意いただきました。


そして配置。

これで一応の完成!
春になればさらにツタが育ってわさわさになればと思います。
ただ細かい看板灯などの作業が残っていますが、それ以上にいつ来てもどこか変わってる!っていう状態を目指して、常にブラッシュアップしていこうと思います。
TAGS:外観リニューアル2016
2016年12月28日 | CATEGORY:代表大野ブログ, 社屋リノベーション

当店の東側に以前は隣の会社の事務所が立っていたのですが、それが当店の工事の数か月前に取り壊しになり汚い壁面が丸見えになってしまいました。
あった建物までの距離も近く、メンテナンスもいきわたらなかった場所です。
本来見えてなかった、またお客様に見てほしくなかった汚い面を、きれいに、かっこよく生まれ変わらせて、逆にここを見ないと帰れないようなスポットにしようと、大看板を書いてもらったライさんにでっかくサインペイントをお願いしました。
書いていただくのは当店の人気色の色名。
載せてほしい優先順位とフォントをいろいろ使ってほしいとだけお伝えして、あとのデザインはお任せしました。
上がってきましたデザインはこちら。

ボロボロ状態に書いてもかっこよさそう。
そして大看板が終わり次第着手していただいたのですが思いのほか時間がかかってしまうようでした。。
一番苦慮されていたのが、何度もフィラーを塗られてテクスチャが付きまくったこの壁面。
しかも壁面のエントランスグリーンと白とのコントラストが強い、なんども塗らないと色がつかない。。

このダブルでの大変さに、1日かかってBRASSが書ききれなかったそうで。。
ここから方針変更してライさん得意のスプレーも取り入れながら進めていくことになりました。
スプレーを使うと凹凸は気にならなくなり、ぼやけた部分も濃い色で修正する分には早いようです。
これで急激にスピードアップ。

さらに養生のシートもついていると文字のバランスがわかりにくいとのことで途中からどんどん外していくことに。
結構あのシートってついていないと怖いんですよね。しかも見てるほうが怖い。。

下のほうを塗っているときに人の大きさと比較すると、すごく文字が大きく感じます。
そしていよいよ完成し、足場が取れる前にみんなで記念撮影!

そしてまた描いていただいているシーンを動画にまとめました。
サインアートは足場が外れるギリギリまでかかったのですが、もう一つ、ギリギリまでやっていたのが正面大看板。
そちらについて次回は書いてまいります。
TAGS:外観リニューアル2016
2016年12月21日 | CATEGORY:item, スタッフ大浦ブログ
タカラ塗料 スタッフオオウラです
「金属が錆びついた風合のエイジングペイント方法(塗り方)」について


どちらも素材は「木」です。
ペイント工程が違う2つの金属が錆びついた風合のエイジングペイントサンプルですが、
このように大きな変わりはなく、
「塗り方の工程が違っていてもエイジングペイントに正解や不正解はありません」
「塗り方エイジングペイント方法は一つではない」
ということを、初めにお話しておきます。
______________________________
◆エイジングペイント方法のコツ◆
「塗り方の順番が重要なのではなく、塗り重ねて塗り重ねて、色の層を作っていき奥行き感を出していく」
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◆使うペンキ◆
✔セメントテクスチャグレイ
✔錆エイジング(イエローラスト・ブラウンラスト)
✔PBシルバー
✔ブラックスケールメタリック
◆用意する備品◆
スポンジ
布(余分な水分やペンキを拭うため)
霧吹き(水を入れて)
ビニル手袋
◆塗り方工程(下地ありバージョン)◆
木材を用意しました

①セメントテクスチャグレイをスポンジに少量取り「トントン」と叩くように塗ります。
★全体にきれいに塗るのではなく、まだらに塗ります
★テクスチャはザラザラとした質感のため、錆を強調できる効果がありますので、「錆び」を強く出したい部分には多めに塗りましょう
★塗る量に強弱をつけると、より立体的に表現し易くなります

テクスチャが塗り終えたら、ドライヤー等で良く乾かしましょう
② ブラックスケールメタリックをスポンジに少量取ります。

①と同様にまだらに塗っていきます。

テクスチャグレイが隠れなくても大丈夫です。
テクスチャグレイが少し見えている方がリアル感が増していきます。
「トントン」と軽く、リズミカルに。
力入れず、軽やかに「トントン」と乗せていく感じです。
<例えば>
鉄は端や、際や、接合部分から錆び始めるので、本物の鉄が錆びた時の様子をイメージしながら、塗ってください。
塗り終えたら、良く乾かしてください
③ PBシルバーをスポンジに少量取ります。


①と同様に、まだらに塗っていきます
ブラックスケールメタリックやテクスチャを全て塗り隠してしまわないように。まだらに、軽快に、軽く「トントン」同じように塗り重ねていきます。
◆PBシルバーの効果は・・・?◆
「錆び」色のイエローラストとブラウンラストを塗った時に小さい面積ですが、鈍く光ると、より一層金属風に見えるのです。


塗る面積はこの程度で構いません。
良く乾かしてくださいね
④ 錆エイジング「ラストブラウン」をスポンジで塗ります
原液のままでは使わず、薄めて使っていきますので、スポンジを霧吹きで湿らせておきます。


霧吹きを4~5回吹きかけます
★薄める効果は・・・?
薄めて塗ることによって、下地(ブラックスケールメタリックとPBシルバー、テクスチャグレイ)がうっすら見えて本物の金属質感が現れ始める効果があります
ラストブラウンを少量取り、布に、余分な水分を吸い込ませてから、塗っていきます。


「トントン」と、軽く、力を抜いてください。

霧吹きを適宜吹きかけて、決して濃いままで塗らないようにすれば、錆エイジングペイントは成功へと近づいていきます
布もこんなにも水分を吸い込んでいます。
布にこんなに水分とペンキを含んだ状態になれば、この布を使って、トントンと塗り重ねても構いません
乾くとこのような色合い、風合になっています。

⑤ ここまでで様子を見て、もう少し、PBシルバーを強調したいときには、
PBシルバーをスポンジに少量取り、霧吹きで湿らせて、少しづつ「トントン」と軽く塗ります。
周りの錆び色に馴染ませるように。


布も使いながら、馴染ませていきます。
濃くならないように、霧吹きを使いながら、塗り重ねてください。
⑥ 再び錆び色「ブラウンラスト」をスポンジに取り、霧吹きをかけて、薄めてから先程と同様に力を抜いて、塗り重ねます。
濃くならないように、布や紙、敷いている板に余分な水分を拭いましょう


スポンジを見ても、濃くなく、薄まっているのがわかりますか?


時々、水分をぬぐい取った布でも、トントンと軽く、乗せていきましょう
⑦ 錆色「イエローラスト」でさらに錆に立体感を持たせる

先程と同様に、すぽんじを霧吹きで薄めて、イエローラストを少量取り、布に、余分な水分を拭い取ってから使います。


まだらに、軽く、薄く、「トントン」と軽快に。
だんだんとコツが掴めてきましたか?
あとは、ブラウンラスト⇔イエローラストを交互に塗り重ねていくのです。
錆エイジングペイントは一回だけでは表現しきれません。
色+色+色+色+色+というように、色の層を作っていってください。
◆塗り重ねていくうちに、ブラックスケールメタリック感や、PBシルバーが見えなくなってしまった時には◆

霧吹きを用意してください
● スポンジにPBシルバーを少量取ります。(薄めず原液で構いません)

● 「トン」と、一回軽く、乗せてみてください

● 乗せたらすぐに霧吹きを1回「シュッ」と吹きかけます

● 布で水分を押さえます。押さえながら、トントンとリズミカルに叩いていきましょう。

● このような質感になります。

初めに「トン」と乗せた原液のPBシルバーがこのように、薄まって広がりました。
● さらにリアルに近づけていくために錆色と馴染ませましょう


イエローラストを原液のまま、スポンジに取り、布で拭い取り、かすれさせます
そのスポンジを乗せます。
すぐに霧吹きをしましょう

ペンキに水を足して、にじませるのです。
● そして布でトントンと押さえながら、塗ります。


★PBシルバーが馴染んできましたね。
黄色みが強くなってきたら、好みですが、ブラウンラストで、黄色みを押さえ、落ち着かせます。
この場合も、スポンジに少量取り、かすれる程度に拭い取ってから、乗せていきます。

この工程を繰り返すと、出来上がりです。

次にご紹介するのは塗り重ねる順番が違うバージョンです
◆下地無しバージョン(先にブラックスケールメタリックとPBシルバーを塗らないバージョン)
この塗り方工程でも結果は同じになります。
塗り方やペイント方法が一つという枠にとらわれ無くても、錆エイジングペイントは出来るということを見てみてください
① セメントテクスチャグレイは共通で先に塗っておいてください
テクスチャグレイの後に
◆錆色ラストブラウンを原液で塗ります◆

ほぼ全面に塗りました

まだ乾いていないので、艶があるように見えますね。
乾くと艶が無くなり、錆びたように見えます。
② ブラックスケールメタリックを霧吹きで薄めて、布に水分を拭い取ってから、軽くトントンと乗せるように塗ります



まだらに、塗ります。

乾くとこのような質感になります。
③ PBシルバーを同様に薄めて、布などで水分を吸わせて、かすれさせてから、トントンと乗せていきます


しっかりと濡らした布で、馴染ませるように押さえながら塗ります
④ 錆色「イエローラスト」も同様にかすれさせてから、トントンと乗せていきます


PBシルバーが消えないように、まだらに塗ります
⑤ 錆色「ブラウンラスト」も同様に。かすれさせて、薄めてから、まだらに塗ります


⑥ さらに塗り重ねるためにPBシルバー⇔錆び⇔ブラックスケールと繰り返します



すると、このように、完成します。

先に下地(ブラックスケールメタリックやPBシルバー)を作っても、作らなくても、重ね塗りをしていくうちに、
リアルに近づいていくので、心配せずに、重ね塗りの金属風質感の錆エイジングペイントを楽しんでくださいね。
★原液と薄めた時の違い★

左から:ラストブラウン・イエローラスト・ブラックスケールメタリック・PBシルバー
布も、こんなにも水分で薄まっているのがわかりますか?
布の下に「ちょん」とペンキを塗っているのですが
左が「原液」
右が「水で薄めた」ペンキ
です、濃さが全く違うのが伝わりますか?
皆さんが思っている以上に、水でペンキを薄めています。
そんなにも薄めたら色が乗らないのでは?
と疑問に思われるかもしれませんが、それで大丈夫なのです。
ぜひ、お試しください。
スタッフオオウラの
「金属風質感の錆エイジングペイント方法 塗り方比較」でした
TAGS:錆エイジング