タカラ塗料のブログ

メタリックカラーの調色の難しさについて

よくメタリックカラーは調色できないのか??というご質問をいただきます。

残念ながら当店ではメタリックやパールの調色は行っておりません。。
今日はその理由について書いてまいりたいと思います。

当店の色合わせ(調色)の方法

当店で行っている調色は建築用、工業用の塗料を機械ではなく「目」で調色をしています。
色を目で見て、これは白と黄色と赤系と黒が少し入っているなぁとその要素を入れて色を作っていきます。
よく早さと正確さから機械で調色しているのかと思われますが、意外とアナログな方法で作っております。

料理で例えますとレシピを見ずに、味を舌で覚えて料理を再現しているのです。

扱う原色(材料)も多くありませんのでそれができるのです。
(余談ですが多くないといっても、水性塗料の艶ありだけで9色持っています)

車両用塗料での調色の方法

メタリックやパール系を扱う車用の塗料はメタリックやパール系を除いたソリッドカラー(赤・青・黄色など)の原色だけで50色以上あります。
ちなみにメタリックやパール系の原色は70色以上!
これらの120以上の色の組み合わせで車の色ができているのですが、これではもうレシピがないと作れないのです。
板金塗装屋さんなどはメーカーのレシピをみて調色し、細かいところは現車合わせで調色するのです。

ちなみに車の色ができるまで、上記の120の原色の中から5色以上混ぜ合わせてできています。
とてもではありませんが目で見てメタリックやパールの種類まで言い当てることができません。。

なぜ色の3原色以外にそんなに原色があるのか・・・

色の三原色というと赤・青・黄色ですし、プリンターのインクなどでは黒とマゼンタとシアンとエローだけなのに、なぜ建築系の塗料でも9色、車系の塗料でソリッドカラーで50色もあるのでしょうか?

まず白と黒です。
白は何もない状態で表しますが、印刷なら紙が白いのでそれでいいですが、白の塗料は必要です。
それ以外の色では本当に理想的な混じりっ気のない赤・青・黄があればいいのですが、赤なら黄色っぽい赤、青っぽい赤、より紫っぽい赤などがあります。
一般的に紫を作りたい場合青と赤を混ぜればいいじゃないかと思われますが、青の中に微妙に黄色の要素、赤の中にある微量の黄色の要素が混ざり合い、きれいな紫になりません。
ですので紫っぽい赤と紫っぽい青を混ぜたりして作ります。

さらに車の原色ではそこにシルバーやパールを混ぜなくてはなりません。
例えば黒にシルバーを同じ用量だけ足すと青っぽくなったり黄色っぽくなったりと色が違います。それも考慮にいれなくてはいけないのです。
それを色足といいシルバーを入れる前にほとんど同じ黒でも、色足によって色が違います。

シルバーやパールにあうソリッドカラー

色足以外に重要な要素に透明性があります。

基本的に工業用、建築用の塗料は早く目的の色に対象物が染まるように透明性が低いです。
裏を返せば隠蔽性(隠してしまう力)が高く、すぐに色を付けることができます。

ですが透明性の低い色はメタリックのギラギラ感をつぶしてしまいます。
ギラギラ感も隠蔽してしまい、メタリックが入っているということがわかりにくく仕上がってしまいます。

車用の原色の中には極度に隠蔽性の低い、透明性の高い塗料があり、シルバーに混ぜられるのが前提のような原色があります。
それらがきれいなメタリック感を演出し、宇宙に漂う星のような仕上がりになるのです。

当店で扱う塗料は建築用工業用で透明性の低いものが多く、ギラギラ感が消えやすく残念な結果になってしまいます。
ですので残念ながらメタリック系の調色を断念し取扱をしていないのです。。

 

刷毛塗り全塗装

刷毛塗全塗装タカラ塗料デモカー制作完全レポート!

当店の人気商品の一つで2013年から発売しております刷毛とローラーで車をつや消し塗料で全塗装しよう!という商品があります。

HPはこちら

もともとニーズの高かった車への全塗装ですが、従来の塗り方ではコンプレッサーやガンを用意したり、周囲への飛散を注意しなくてはいけなかったりと気軽に行えるものではありませんでした。
刷毛やローラーで塗ってしまえれば簡単ですが、車のパネルはとても平滑にできていまして艶あり塗料で塗ると、いかにも「塗った!」という刷毛ムラやローラームラが目立ってしまいます。

ですがつや消しで塗るといい感じにムラが目立たなくなるので、ガソリンに強く車に適した3種の種類の塗料でつや消し塗料をおすすめのオリジナルカラーで販売しております。

その刷毛塗り全塗装のデモカーとして使っておりますハイゼットカーゴを作った過程をご紹介させていただこうと思います。
アメブロでくどくどご紹介している記事をリライトしました)

経緯としましては、「塗料屋の車が白いままなのはおかしい!」と考え、また刷毛塗り全塗装を思いついてから「絶対に自社の車も塗り替えなくては!」と実行しました。

上記写真を見ていただけるとわかるのですが(間違い探しのようですが)下記のメニューで塗り替えていきます。
・アクリルラッカーで塗る
・上部と下部をグレイッシュダークグリーンで塗る
・真ん中はオリーブカーキ
・車内はサンドカーキ
・ホイールはさび色
・顔とサイドステップとバンパーは純正からキャルステージ社製フレンチバス仕様に交換
・ビニールのシートカバーを革調にエイジング塗装
以上になります。

色の決定について

当店は色を作るのは得意ですが、色を決定するとなると無限に作れる分悩んでしまいます。。
ですので思い切ってデザイナーさんに丸投げして塗り分けを決定いたしました。

これをもとに実際に塗料で作って板に塗り、車にあてがってみて色を決めるというぜいたくな方法をとりました。

フレンチバスキットについて

フレンチバスのキットはキャルステージさんから購入。
すごく高いといえば高い買い物でしたが、実際につけて数年走っていますがやはり目立ち度高くって大満足でした。

この黒い色はゲルコート仕上げと言って、プラスチックそのものの色になります。
大きな型があり、そこから抜いてこれが出来上がるのですが細かいエッジの部分など欠けたりしてパテを盛ったり修正が必要そうなところもありました。

しかし刷毛塗り全塗装するのにあたり気にならなさそうだったので今回は修正はしませんでした。

フレンチバスキットの取り付けについて

刷毛塗り全塗装にあまり関係ありませんが気が付いた点を書いておきます。

正直な感想としては素人が取り付けるのは難しかったです。
説明書もあるのですが、素人にはわかりにくくって説明のない部品があったり、とても分かりずらかったです。。
都度ネットで検索したりしてトライアンドエラーで試したり、加工したりする個所が多かったです。
一応困った点を思い出せるだけ箇条書きにしておきますね。(この件についてのご質問は勘弁してください・・)

・ボディ側の大幅な加工が必要だった
・ボンネットのキャッチ部分が合わず、車両側キット側両方加工しなくてはいけなかった
・ウインカー位置の穴を開けなくてはいけなかった
・ウインカーがLEDになり交換用リレーが入っていたのですが、説明書きがなくって何の部品かわからず困ってしまった・・
などなど。

もしやろう!と思われる方はスケジュールに余裕もって進めましょう。

足付け

600番程度のペーパーで足付け(研磨)していきます。

コツとしては少し曇る程度で大丈夫です。上記写真は黒のゲルコートが白っぽくなるまで磨いた写真です。
これよりもう少し軽めでも大丈夫です。

これをすることで車体についているワックス分を除去することができます。

ちなみに純正塗装を全部取らないと全塗装できない!と思われる方もいらっしゃいますが、純正塗装とこれから塗る塗料がよく引っ付けば大丈夫なのです。
純正塗装をはがしたほうがいい場合は下記のケースです。

・純正塗装がさびなどではがれかけている
・レース車両などで少しでも軽量化したい場合
・純正塗装ではない何かの塗装がされていて、上塗りしたときにふくれたりめくれたりする
などなど。

よく純正塗装が劣化してぼろぼろになってきてる場合は、全部はがさなくてもいいですが塗装の膜の境目を触ってみて段を感じられたら平らになるぐらい研磨はしてください。

左:劣化した純正塗装   右:段がなくなるまで研磨後
お客様のカローラフィールダーの例。赤は特にトラブルが多いようです。

脱脂

今回はラッカーシンナーを布につけて車を全体拭きました。

ラッカーシンナー以外でもシンナー類(ペイントうすめ液)、シリコンオフも用意しております。
またシンナー類を使わなくても、台所用洗剤で洗車してもOKです。
ただその場合は車用のシャンプーを使うとWAX分が入っている場合があるので注意。

下地剤を塗る

プラスチック類は塗料が引っ付きにくいので、下地剤を塗ります。
当店でおすすめは非鉄バインダーとなります。

ちなみにFRPパーツは塗料がまだ引っ付きやすいので、下地剤を塗らなくても結構ひっついたりします。


右上が非鉄バインダー後のホイール。ホイールもさびないようにメッキされていたりするので、塗っておいたほうがいいです。

塗装する

塗装は塗りにくいところは刷毛で、広い面積はローラーで塗っていきます。
刷毛は毛の抜けないもの、ローラーも毛が抜けにくく、かつ短毛のものを使います。

塗り方のコツとしては少し薄めすぎぐらいに薄め、薄くかすれるように塗っていきます。

乾燥後にまた薄くかすれるように(なでるように)重ねていきます。
あまりごしごしと同じ個所を何度も塗ると前に塗った塗料が溶けてはがれてしまいます。
何度も乾かすようにします。

色が付きだすとしっかりとしてきます。

もし艶ムラなどが出る場合は、よくかき混ぜてもう一度薄めの塗料で表面をなでるように塗ると艶がそろいやすいです。

ツートンカラーの場合

初めての刷毛塗り全塗装だというのに、デモカーでは色気を出してツートンにしてしまっています。
ラインを決めるときに何か目安はあるのかと思っていたのですが、思いのほか思い切りよくテープを貼っていったほうがよさそうです。

またマスキングテープを貼っていくのは大体2時間以上は乾かしたほうが無難です。

車内の塗装

外装は実はそんなに難しくなく、実は車内やドア内が手間がかかります。

外装がかっこよく塗りあがっても、いざ乗るときに白い部分があるとがっかりしてしまいます。

実はこの車内の作業だけでちまちま1か月ぐらいかかってしまいました。

完成後のメンテナンス

塗装が終わった後のメンテナンスはラッカーの場合は洗車機に入れても大丈夫です。
ただWAX洗車をしてしまうと変な艶が出てしまうかもしれないのです。要注意。

また2年ぐらいたったら色が褪せてきますので、もう一度軽く全塗装すれば復活します。

ちなみに当店のデモカーはほとんど洗車をしたことがありません。
もともと艶がないので汚れても気になりません。

こちらのページを見られて塗装を考えておられる方は、ぜひ一度ご検討くださいませ。

たくさんのお客様事例がある刷毛塗り全塗装のページはこちら

刷毛塗り全塗装

刷毛塗全塗装でつや消しで仕上げる場合にクリアは必要ないの?

よく、
「クリアを塗ったほうがいいのでは?」
「クリアを塗ったほうが長持ちするのでは?」
というご質問をいただきます。

そこでよくお答えするのは
「クリアを塗るなら、同じ色の塗料をもう一度塗ってください」
とお答えしております。

理由は下記のようになります。
1、つや消しのクリアを塗ると少し色が白くくすむ。
つや消しのクリアにはたくさんつや消し剤を入れなくてはならず、そのつや消し剤が少し白っぽいものですので、その分くすんだ色になってしまいます。

2、つや消しのクリアも色つきつや消しの塗料と同じぐらいの耐久性しかない。
つや消しのクリアにはたくさんのつや消し剤を入れないと艶が消えないため、その分クリアの中の不純物が増え、結果色つきの塗料と同じ耐久性となってしまいます。

3、つや消しのクリアも汚れはつきやすいです。
つや消しはつや消し剤によって顕微鏡で見たときにわかるレベルで表面がザラザラになるから艶が消えています。
そのザラザラに汚れがつきやすい原因となります。
ただつや消しの色は汚れがついても目立ちにくいです。

さて、なぜクリアを塗ると強くなる!という一般論があるのでしょうか?
それは近年の純正色にパールやメタリック色が多いということがあります。

パールやメタリック色はその色や輝きをよく見せるために、あまり樹脂の入っていない状態になるまでパールやメタリックの粉を入れています。
それをボディに吹き付けたままにしていると、艶は全くありませんし、塗料同士のつながりも弱いために爪でひっかくとすぐ傷になるような状態になっています。

それを抑えるために必ず樹脂100%の状態であるクリアを塗って、それらを閉じ込めてしまい、さらにキラキラと濡れたような艶の状態にするのです。

ということで、刷毛でソリッドカラーをつや消しで塗る場合はクリアは必要ない、というお話でした。

刷毛塗り全塗装

刷毛塗全塗装の際のサーフェーサー(プラサフ)につきまして

サーフェーサー(プラサフ)につきまして
車の塗装には「絶対下塗りはサーフェーサー!」という、固定概念(?)を持った方も多くおられるようですが、刷毛塗全塗装に関しては絶対ではありません。
お電話やメールでもお問い合わせが多く、迷われる方も多いので詳しく書かせていただきます。
 

サーフェーサーはどういう塗料?

まずサーフェーサーとはどういう塗料かといいますと、樹脂の中にたくさんの粉(体質顔料)を入れたものになります。
体質顔料とはサーフェーサーの場合、主にタルクと言われる石の粉です。
何のためにその石の粉が入っているかといいますと、乾燥後に研磨しやすいようにと、下地を隠す(隠蔽する)ためです。

 

 

プライマーとしての効果は?

プラサフ=プライマーサーフェーサーという意味ですが、プライマーの効果はやや低いです。

よく「プラサフ塗らないとはがれる!」といいますが、大体の塗膜ははがれるときはプラサフごとはがれています。
つまりプラサフとその後に塗る上塗りの塗料とはよく引っ付いていますが、下地とはそんなに引っ付いていないのです。

また「プラサフ塗って錆止める!」とも言いますが、プラサフは錆を止める力はありません。
プラサフを塗ることで塗料が厚めになり、その部分水分が入ることを抑えることはできますが、錆そのものを止めるわけではないのです。

ちなみにその他建築、工業、重防食、どの分野でもサーフェーサー(プラサフ)を錆止めとして使うことはありません。

あくまで、研磨と隠蔽に特化した塗料なのです。

 

 

よくあるシーンごとの解説

1、純正塗装の上から塗る場合

純正塗装膜は焼き付け塗装の膜ですごく硬い膜です。

その膜は硬くてほかの塗料が引っ付きにくいのですが、ペーパーで足付けをしますと物理的な表面積が増えてしっかりと別の塗料が引っ付くようになります。

ですのでよく塗料を引っ付けるという意味では、下地塗料は不要になります。

 

2、パテあとや金属部分の露出がある場合。

吹き付ける場合は、吹き付ける塗料の膜が薄く出るため、パテがシンナー分を吸ってしまいそこだけムラができるということがあります。

しかし刷毛塗全塗装の場合はローラーなどで塗りつける塗料の膜が厚いので、そこまで気になることはありません。

またピンホール(小さな穴)も同じで、ローラーでの塗装ではその穴も埋まりやすいです。

 

3、古い塗料のクリアの膜がはがれている、またはところどころはがれて下地が出ている場合

はがれが起きている部分と起きていない部分との段は、塗装前に段がなだらかになるまで研磨すれば大丈夫です。

プラサフは基本的に吹付の場合に、細かい穴も凹凸も許さない、きれいな肌を目指すときに使うものです。
刷毛塗全塗装の場合、刷毛跡やローラー後で細かい凹凸が全体にできますので、凹凸は気にならなくなります。
またつや消しの塗料なので、多少凹凸があっても目立たなくなります。

 

 

逆に刷毛塗全塗装でプラサフが必要な場合はこちら

1、あまりにパテに細かい「す」(ピンホール)が多い場合

2、下地の色が黒など濃い色で、上塗りに黄色や赤など透けやすい色を塗る場合

ぐらいでしょうか。

とにかく、プラサフは絶対!ではありません。

刷毛塗り全塗装

車刷毛塗り全塗装にチャレンジされたお客様の事例集が増えております!

タカラ塗料スタッフブログへようこそ!

 

全国で車刷毛塗り全塗装をされたお客様から、続々と塗装事例を送っていただいております!

とてもありがたく思っております!

そして、

「車の刷毛塗り全塗装どうしようかな・・」と悩んでいる方々の、背中をポンッと押せるように、

送っていただいた車の塗装事例をまとめてアップしましたのでご紹介します!

kuruma

 

車刷毛塗り全塗装お客様事例集はこちらからどうぞ!

http://brush-carpaint.com/?mode=cate&cbid=1996638&csid=0

 

 

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タカラ塗料について

当店・株式会社タカラ塗料は昭和24年から続く塗料店です。
塗料の販売、塗料の色を合わせる調色、オリジナル商品の開発、全国へのインターネット通販を行っております。

オリジナル商品

当店では、お客様との距離が近い分、
「こんな塗料が欲しい!」「こんな色で塗ってみたい」「あんな商品があったら便利なのに」
という声を日々いただきます。
その声にお応えすべく、既製品にないものは自分たちで開発。そんな思いから生まれた、タカラ塗料ならではのオリジナリティ豊かな商品をご紹介します。

  • タカラ塗料オリジナルカラー

    142色の美しいマットな TAKARATORYOオリジナルカラー

  • 水性ステイン

    珍しいホワイトや古材風色の 水性ステイン

  • ペインタブルテープ

    貼って塗って剥がせば原状回復 ペインタブルテープ

  • ラストブロック

    サビを完全に落す必要なしの下塗り剤 ラストブロック