タカラ塗料のブログ
2025年1月23日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
今日は透けやすい色の下地色のお話です。
塗料の中で透けやすいのは真っ白や赤や黄色系の色なのですが、中でもより色が透けやすいのが「レモンエロー」系の色なのです。
レモンエローは塗料にも原色があり、本当に透けやすい色です。
調色で使う時も透けやすすぎるので、必要そうな色があってもまずはそのほかの黄色系の色から調色を考えます。
そんなレモンエローを実験してみました。
いろんな色に塗られた色見本の板に水性アクリルの艶消しのレモンエローを4回塗りしました。
4回も塗るとぱっと見はすべてレモンエローになっているのですが、重ねてみると、、、、
このように白っぽかったり黒っぽかったり、そして赤さびのような色に塗った板は肉眼で見るとやや赤っぽいようにも見えます。
このように下地の色に左右されやすいのがわかると思います。
29-80V、27-80V、29-80Vあたりの色は、N-80、27-85VはN‐85などそれぞれの明度に近い無彩色を下地に塗ることで本来の色が少ない塗装回数で出すことができます。
TAGS:調色 塗料の豆知識
2024年11月13日 | CATEGORY:Q&A, 代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
さてよく聞かれるご質問です。
Q.タカラ塗料ではたくさんの色の在庫があるのですか?
A.オリジナル色の一部は在庫がありますが、基本的には原色から色をおつくりします。
色を扱う塗料販売店なのでホームセンターのようにすべての色を在庫しているように思われがちですが、タカラ塗料には基本的には在庫はありません。赤や黄色や青などの原色をたくさん在庫しており、それらからご注文いただいた色をおつくりしています。
ですのですぐに茶色!とかの色はないのですが、いろんな茶色を無限に作ることができます。
TAGS:調色
2024年9月13日 | CATEGORY:TAKARATORYO Original Paint Shop, 代表大野ブログ
タカラ塗料の大野です。
週末に京都髙島屋店にてライブペイントをするのですが、そのライブペイントをしてくれる学生さんから壁を麻布の色のイメージであらかじめ塗っておいてほしいとリクエストいただきました。
麻布を検索して出てきたスクショの写真を送ってきてくれてたのですが、こういったリアルにある物質の色の場合は同じ物質の見本を手元において調色するほうがイメージ違いが起こりにくいので会社中麻布を探しました。
すると麻布はなかったのですが麻ひもで作った箒のオブジェがあったので、その麻ひもの色に合わせて調色しました。さあ実際にこの色を塗って麻布っぽくなるのか?!
ちなみに余談ですが、タカラ塗料には錆エイジングセットという錆を表現できる塗料セットがあります。
こちらの塗料は錆を見ながら調色して作ったので結構リアルな錆が表現できます。Amazonでも評価が高いです。
こちらの塗料を真似てある会社さんが同じような塗料を作ったのですが、「想像する錆」っぽい色でちょっと赤っぽく、「絵」っぽい色になっています。
ということでマニアの間ではタカラ塗料の錆エイジングセットは人気です。
TAGS:DIY エイジング塗装 調色
2024年8月20日 | CATEGORY:代表大野ブログ
タカラ塗料代表の大野です。
お休みの間のTVでテレビ東京系の「世界!ニッポン行きたい人応援団」の再放送をみました。
フランス女性が日本の「絞り染め」という布の一部を糸で強く括り、染料につけて模様を出す技法を日本に学びに来るという内容でした。
そこで染めの職人さんが登場したときに、フランス女性が色見本の中から選んだあずき色にぴったりと色を合わせる、という場面がありました。
色を見るとほぼばっちりと色があっていました。
布の調色と塗料の調色は何が違う?
布を染める染料の調色と塗料の調色とはどんな事がちがうのでしょうか?
色の3原色的には塗料と同じです。ですが、下記の点が違うと思います。
・原色の数
工業系、建築系の塗料の原色は多くても20原色ぐらいですが、染料は50以上あるようです。これだけあると染料を選ぶのが大変そうです。
・白がない
染料には基本的には白がありません。白は布などの白に依存します。
・布により染まり方が違う
塗料では素材によって色が違うというのは凹凸の場合ぐらいで、基本的にはしっかりと塗れていれば同じ色に仕上がります。
染料は布の繊維の吸いぐらいによって変わってくるので、色の濃い薄いも素材によりでやすいそうです。
いろいろと書きましたが、布の色を染めるための調色は一発勝負のためかなり難しそうです。
染料の職人さん、凄いですね。。
TAGS:調色
2024年8月6日 | CATEGORY:代表大野ブログ, 調色屋
タカラ塗料代表の大野です。
先日会社の社内で社員の家族やお子様を対象とした社会見学会を行いました。
社会見学会は毎年恒例行事で行っておりまして、それまでは子供ばっかりだったんですが、今回は大人も来てください!とアナウンスさせていただきました。
そして来てくれたのが調色師のエースの旦那さんでした。
僕は調色のレクチャーの担当だったんですが、エースから「調色の厳しさを教えて下さい」と熱望されてましたので、旦那さんには難しめの色をノーヒントで作ってもらうことにしました。
彼が調色するのは65-40Hという少しグリーンがかったブルーだけど、ややグレーっぽい絶妙に難しい色。
この色の構成要素としては白、ブルー、グリーン、黒なんですけど、これがまた難しいです。
子供たちには色ができたら即完成!なんですが、彼には量(200g)をも合わさないといけないという縛りをかしました。
調色というのは作って塗っては乾かして色を確認し、また色を足して塗って乾かして色を確認というのを繰り返すのですが、その工程で僕に色を確認しているの図です。何度も色が違うと突き返します。
エースの後輩の子はやさしく「だいぶあってきましたよ!」と励ますのですが、僕は色が違うと突き返します。
さんざんその工程をやったあげく、結局時間切れになりそうだったのでちょっと手を貸しているの図
最終なんとか完成してビンに詰めるところまでいきました。
彼の感想は「大変難しく疲れた。。」とのことでした。
2時間でやっと1色できたのですが、新人は一日で1色も作れないこともあります。
しかしエースの子はこれで一日30色作りますよって話を彼にしたら「難しさが良くわかりました」と感想をいただき、なんとか僕の役目を終えました。
エースの子が調色をします塗料の調色のご注文はこちらへ>>
スタッフが書いた会社見学会の記事はこちら>>
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