タカラ塗料のブログ
2017年12月4日 | CATEGORY:代表大野ブログ, よくあるご質問, Q&A
塗料販売店をしておりますとよく聞かれる質問に下記のようなものがあります。
「下塗りと上塗りが一緒になった塗料はありますか?」
厳密に言わせてもらうと、「ある」んですが、当店には「ない」んです。
ホームセンターの一般家庭用塗料には「下塗り兼用!」というものもありますが、塗料販売店向けには卸されているものではありません。
ちょっとその理由を説明させていただきますね。
まず下塗り塗料につけられている性能はこんなものがあります。
・素地とよく引っ付くこと
・錆などを抑えること
・シミなどを抑えること
・柔らかい素地を固めること
・水分をシャットアウトすること
・研ぎやすいようになっていること
などなど。
それらによってもそれぞれ塗料が違います。
上塗りはこんな性能をつけられています。
・太陽光線(主に紫外線)から守ること
・艶をだすこと
・きれいな発色をすること
など美観や長持ちに関する性能が多いです。
それらを一緒の塗料に入れてしまうのは無理があるのです。
洋服に例えるなら、下塗りが下着、上塗りがジャンパーだと思ってください。
「下着兼用ジャンパー」ってないですよね?
汗などを吸って通気性がよくって、それでいて風などを防ぐために気密性もあってあたたかい・・・おかしいですよね。
ですので専門店である塗料販売店である当店では、兼用塗料はない、とお答えしております。
面倒でも適切な下塗りを塗ってから上塗りを塗って仕上げることをお勧めします!
TAGS:DIY
2017年10月2日 | CATEGORY:車刷毛塗り全塗装, 代表大野ブログ, よくあるご質問
10年以上たった車でよくある現象で、純正塗装のボンネットや天井のクリアがはがれて無残な状態になっていることがあります。
その場合の刷毛塗り全塗装はどうしたらいいのか?を書かせていただきます。

まずは簡単にはがれるところがあればはがします
ペリペリと簡単にはがれるようであれば、はがしてしまってください。
そのまま塗ると、砂漠の上に家を建てるようなもので、新しい塗料ごとはがれてしまう原因になります。
指で触って段差がなくなるまで削る
パリっと割れたような状態で塗ってしまうと、塗った後でもその部分が目立ってしまいます。
ですので400番ぐらいのサンドペーパーで段差がなくなるまでなだらかになるように削ります。
目安としては指で触った時に段の感じがなくなるぐらいがベストです。
その際地金が出るまで削ってしまわないようにしてください。
地金が出た場合は下塗りから塗らないといけなくなります。
段差がなくなったらホコリを落とし、通常通り刷毛塗り全塗装していただいて大丈夫です。
2017年7月31日 | CATEGORY:代表大野ブログ, よくあるご質問, 車刷毛塗り全塗装
お盆休みに近くなると、暑い時期に車を塗り替えたい熱い猛者から多数ご質問をいただくのが
「この時期に刷毛塗り全塗装するならどの塗料が扱いやすいですか?」
という内容です。
こちら大阪ですと35度にもなるような時期なので、塗装にはかなり厳しい状況です。
塗装に一番いいのは春や秋など人間が過ごしやすい時期が一番いいのですが、工夫が必要になりますがもちろん真夏にも塗ることができます。
ちなみに当店のデモカーもお盆休みに塗っています。

少しでも日陰に入るの図。
真夏に塗る場合は下記をご注意いただければ塗れます
1、ボディに直射日光が当たらないようにする
ボディがアツアツだと塗ってるそばから塗料がどんどん乾いていき、刷毛目やローラーの模様が消える前に乾いてしまいます。
さらにいくと、ローラーや刷毛とボディが引っ付いてしまうような感じになり、大変塗りにくいです。
日陰で塗るようにしましょう。
ちなみに、当店のデモカーも日陰になってから塗り始めています。

2、少し多めに薄める
乾燥を遅らせるためにラッカーならラッカーシンナー、ウレタンの場合はウレタンシンナー、水性の場合は水で、缶の表記より多めに薄めて塗ると少しましになります。
ただ下記の方法が一番効果的です。
3、乾燥を遅らせるシンナー(リターダー)を使う
ラッカーシンナーとウレタンシンナーには乾燥を遅らせるリターダーシンナーというものがあります。
それぞれ5パーセントほど塗料に追加すると、乾燥を遅らせることができますので格段に塗りやすくなります。
もちろん上記1、2の対策を行ってから、さらに行っていただくと効果的です。
ここで冒頭の、お問合せ内容
「この時期に刷毛塗り全塗装するならどの塗料が扱いやすいですか?」
に戻るのですが、リターダーシンナーがない分、水性塗料は乾燥スピードを調整しにくく、この時期塗りにくい場合が多いようです。
水性をどうしても選ばないといけない場合は、日陰で塗るなどボディを冷やす工夫などを行ってくださいませ。

2017年6月16日 | CATEGORY:車刷毛塗り全塗装, 代表大野ブログ, よくあるご質問
刷毛で気軽に外装を全塗装したら、ドアを開けて乗り込むときに何も変わっていない今までの車だと少し気持ちがなえてしまいますよね。
今日は内装の刷毛塗り塗装について書いていこうと思います。

塗ってもいい素材
基本的に車の内装部品は、下記のようなものが多いです。
・ABS
・PP
・鉄
・ビニールレザーなどの塩ビ素材
これらの中で塗れないものは、
・ビニールレザーなどの塩ビ素材
になります。
判別する方法としては難しいのですが、指で押して少し凹むような部品はこれで作られている場合が多いです。
塗るとべたついたり塗料の種類によっては、乾燥後割れたりする場合もありますので塗らないほうが無難です。
またそのほかの素材についてもよくわからい場合は、目立たないところに塗っていただきまして1日以上乾かし、爪でかいてみて剥がれないか、押したりしてべたつきや割れなどがないかどうか確認してみてください。
ABS、PPに塗る場合
車の内装のほとんどがこれらのプラスチックになります。
外したりすると「ABS」などの刻印がありわかる場合が多いです。

これらは非鉄バインダーという下地剤を塗ってから、塗装をするとよく引っ付きます。
ただ塗装前にペーパーで目荒らしをして、脱脂を行ってから塗ってください。
非鉄バインダーはこちら
http://brush-carpaint.com/?pid=100813596
これを塗っていただけましたら、外装用の塗料でそのまま塗ることができます。
鉄に塗る場合
鉄に塗る場合は外装を塗る場合と同じですが、細かい部分が多いので手間がかかります。

塗りにくい理由は、外装はほとんどが凸面であるのに対して、内装はほとんどが凹面や細かいところが多いためにローラーが入らないのです。
ローラーが入らないのでほとんどを刷毛で塗るしかないのですが、ドアを開けて塗っていないところがあると気持ちが覚めてしまいますので、ここは根性でなんとか塗るしかないです。。
ちなみに当店のデモカーは外装は2日ぐらいで、内装はぼちぼちとやっていたので10日ぐらいかかってしまいました。

2017年5月1日 | CATEGORY:車刷毛塗り全塗装, 代表大野ブログ, よくあるご質問, Q&A
車の刷毛塗り全塗装でこの暖かくなってきた時期のよくあるご質問に、
「ローラーの目が多めに出てしまい、ゆず肌(凸凹状の表面)になってしまう」
「刷毛の目がきつく出てしまい、そのまま乾いてしまった」
「今まできれいに塗れていたのに、今回はとても塗りにくい、きれいに塗れない」
というトラブルがあります。
そちらの対処方法を今回はお話しします。
原因は「気温が上がってきて、早く乾いてしまっている」です。
刷毛塗用塗料は乾燥が早く、中でも2液ウレタンとラッカーは乾燥がとても早いです。
気温が上がってくるとローラー目や刷毛目の山が表面張力で収まる前に乾燥してしまい、そのムラがとても目立ちます。
しかしいろいろと対処方法があります。
真夏でも塗っていただける方法をひとつひとつご説明していきます。
①適量より少し多めに薄める
例えばラッカーの場合、適量が80~100%なのですが、100%に近づける、または110%程度シンナーを入れて、カスカスに塗り広げていくというのを繰り返します。
2液ウレタンなら30%程度、水性なら8%ぐらいを目安にします。
②シンナー自体の乾燥を遅らせる
当店ではラッカーシンナーは1種類しかありませんが、2液ウレタンは「冬用」「春秋用」「夏用」の3種類がありまして、季節によって出荷するシンナーを変えています。
例えば冬用のシンナーで夏に塗ると、乾燥が早すぎて塗りにくく、夏用のシンナーで冬に塗ると乾燥が遅すぎて全然乾きません。
ただラッカーと2液ウレタンそれぞれにリターダーという乾燥を遅くするシンナーがあります。
そのシンナーをラッカーシンナーや冬用、春秋用のシンナーに少量(5%程度)添加すると乾燥を遅らせることができます。
ラッカーリターダー
http://brush-carpaint.com/?pid=100648577
ウレタンリターダー
http://brush-carpaint.com/?pid=100648694
③カスカスに塗る
①でも書きましたが、大目に薄めてカスカスになるように塗り広げます。
一気に色を付けようとせずに、ローラーの中の塗料をすべて絞り出して、多くつきすぎたところはそのローラーで吸って伸ばすようなイメージです。
いろいろと書きましたが、暖かく、さらに熱くなるとやや塗装の難易度は上がります。
しかし当店のデモカーも真夏に塗り替えていますので、熱い時期の塗り替えも問題なくしていただけます!


TAGS:DIY