タカラ塗料のブログ

乾燥後の塗装の膜が白っぽくなるのはなぜ?ブラッシング(白化)について

タカラ塗料代表の大野です。

今回はラッカー系の塗料を塗った後、塗料の膜(塗膜)が白っぽくなってしまうトラブルについて解説します。

ラッカー系の塗料は乾燥が早く使いやすいのですが、ある条件が重なると狙った色よりも白っぽくなってしまう場合があります。
その現象を「ブラッシング」といいます。「白化」とか「かぶり」ともいうのですが、同じ現象です。

ブラッシングは高温高湿度状態のときにおこります。

同じラッカーの黒を雨の日と晴れた日に塗った板です

写真を見ると一目瞭然ですね。雨の日に塗ったものは白っぽくなっています。
ラッカーはラッカーシンナーで溶かすのですが、ラッカーシンナーの中には水分ととても結合しやすいアルコール類が多く含まれます。ですのでラッカーの塗料は湿度の高い日は湿度を含んでしまいやすいのです。

寒いときは結合しにくく、さらに乾燥時にシンナーと一緒に水分も飛びやすいのかブラッシングは起こりにくいのですが、暑いときはアルコールのみが先に蒸発してしまい、塗料中に残った水分が後で蒸発するので、その際に塗膜の表面に光を乱反射する層ができてしまうそうです。

ですのでラッカーを高温多湿の時に塗るときは乾燥を遅らせる「ラッカーリターダー」という乾燥遅乾剤が有効です。

ラッカーリターダー

ラッカーリターダーの使い方

1、まず商品ラベル通りに塗料を薄めてください。

※ラッカーの場合 ラッカーシンナー希釈
刷毛・ローラーの場合 80~100%
吹付けの場合     100~120%

2、一度塗ってみて下記の症状が出たら、5%ぐらい添加する。
・刷毛の滑りが悪く、ひっつく感じがする
・ローラーを転がすと、引っ張られるような感じや糸を引く
・吹付けした場合、出た塗料が糸状になったり、粉っぽくなる
・明らかに白っぽく乾く
・艶が出るはずなのに全く出ない
・艶にムラがある
・乾きが早すぎて塗りにくい

上記の症状が出る条件は高温時、もしくは多湿時になります。

3、上記5%添加しても改善しない場合、さらに5%足してみてください。  

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