Q and A
よくある質問にお答えします
2023年7月12日 | CATEGORY:調色屋, news, 代表大野ブログ, Q&A
最近問い合わせが増えてきているそうなのですが、その内容が
「タカラ塗料で使っている塗料に塩素化銅フタロシアニングリーン7は含まれてないのか?」
です。
結論から言うと一部の油性塗料に上記のものは含まれています。
まずこの塩素化銅フタロシアニングリーン7(C.I. Pigment Green 7)というのは緑色を作るときに使う顔料の一つです。
これが規定に引っかかるかも?ということで問い合わせが増えているようです。
ただ、このお問い合わせが増えた背景はとある原料メーカーが作っているこの材料に安全基準の規定値以上のペンタクロロフェノール(PCP)が含まれているのが発覚したからだそうです。
そして現在この材料を含む商品は出荷停止になっているという騒動があるそうです。
タカラ塗料で扱っている商品には上記の原料メーカーのものが入った商品はありません。
塗料メーカーによるとお客様の中には
「塩素化銅フタロシアニングリーン7が全部だめ!」
と思われている方も多いそうで、塩素化銅フタロシアニングリーン7探しをしている人も多いそうです。
正確には
「とある原料メーカーの塩素化銅フタロシアニングリーン7にPCPが含まれるからダメ!」
ということだそうです。
ご参考までに。。
2022年10月18日 | CATEGORY:代表大野ブログ, 調色屋, Q&A
先日2液型塗料はちゃんと硬化剤をいれないといけないよって記事を書きましたが、今回はその続きで実際に実験してみましたという記事です。
今回の実験では4対1で主剤と硬化剤を混ぜるウレタンの艶有黒を使用していろんな比率で混ぜてみます。
・4:1(カタログの比率)
・硬化剤なし
・1:1
・2:1
・8:1
本当は上記を屋外暴露(外に長い間置く)実験をしたほう面白いのですが時間がないので、しっかり乾燥させた後、先端にラッカーシンナーに20分つけるという実験をしました。
これで耐薬品性がどうなったのかがわかります。
結果、下のようになりました。
・4:1(カタログの比率)
やはりカタログ通りなので問題ありませんでした。溶けた様子もなかったです。
・硬化剤なし
当たり前ですが硬化剤がないので乾いているだけなので、シンナーで溶けてしまいました。
・1:1
おそらくですが主剤と出合うことができなかった硬化剤が溶けてしまっているのだと思われます。
・2:1
これは予想外だったのですが、4:1と同様特に問題ありませんでした。このあたりは許容の範囲なのだと思います。
たまにお客様で「硬化剤を多く入れたら乾くのが早くなるか?」とご質問される方もいらっしゃいますが、おおむねの塗料についてはそのようなことにはならないので、多く入れないようにお願いします。
ちなみにポリエステル樹脂系(ポリパテとかFRPの樹脂とか)は硬化剤を多く入れると早く硬化するので、それとごっちゃになられてるのかと思います。
・8:1
やはり予想通り、もろもろになってしまいました。硬化剤の量が少なく、硬化しきっていない主剤がシンナーにやられてしまったのだと思います。
やはり硬化剤はちゃんと入れましょう
実験中はドキドキしながら「本当に今まで伝えてきたどおりの結果になるだろうか?」と心配だったのですが、思ってた通りの結果になり満足です(笑)
2:1に関しては「やっぱりそうだったんだ」と納得するところもありました。それについてはちょっとマニアックな話なのでまた時間があれば書きます。
とにかく、硬化剤はしっかりカタログ通りいれましょう!
2022年10月17日 | CATEGORY:代表大野ブログ, Q&A
よく2液型の塗料というのは硬化剤を測って混ぜるのが面倒という理由で、
「硬化剤を混ぜなくても固まります?」
という質問をいただきます。
結論から申し上げますと
「硬化剤を必ず混ぜて使ってください!」
と、ご説明させていただいております。
硬化剤をいれなくても乾くことは乾くものもあるのですが、中に入っている溶剤(シンナーや水など)が蒸発しているだけで、2液型塗料として固まっているわけではありません。
ですのでシンナーをかけたり水をかけたりしたら戻ってしまうこともありますし、設計上の硬度もでていないのです。
実際に当方で調色しています2液ウレタンを硬化剤なしで塗ると、
・やわらかい
・シンナーをかけるとすぐ溶ける
・艶が出にくい
などの弊害があります。
とにかく2液型塗料の主剤と硬化剤のリッター単価でいうと、必ず硬化剤のほうが単価が高いです。。
ですので使わないなんてもったいないです。。
2020年12月15日 | CATEGORY:車刷毛塗り全塗装, 代表大野ブログ, Q&A
車の刷毛塗全塗装で、
「冬は塗装に向かないのか?」
というお声をよくいただきますが、しっかりとポイントを押さえれば塗装いただけます。
ただ寒さによる乾燥の遅さなどからいろいろな問題が起こる可能性があります。
地域にもよりますが12月~2月ぐらいに塗装される方は下記を十分に注意してください。
~どの塗料でも起こる問題~
乾燥が遅いのでタレやすい
乾燥が遅いので厚付けすると特にタレやすくなります。
粘度が高くなり塗りにくくなる
塗料が冷えていると粘度が上がって塗りにくくなります。その場合はシンナーや水を足してください。
乾燥時間を長めにとらないといけない
塗料は20度ぐらいで使いやすいように設計させています。乾燥が遅い場合があるので、通常の倍以上しっかりと乾燥時間をとってください。
~それぞれの塗料で起こる問題~
<水性塗料>
北海道の外壁塗装屋さんは冬場に水性塗料を使わないそうです。日中の気温が5度を下回る寒冷地では避けたほうが無難です。
大阪などの温暖なところでは雨などに気を付ければ問題なく塗装できる場合が多いです。
・保管について
まず水性塗料は凍らせてしまうと使い物にならなくなります。
ゼリー状になり液体状に戻らず、廃棄するよりほかなくなってしまいます。必ず氷点下にならないように保管をしてください。
・塗装時の気温について
5度以上の温度で塗装してください。また乾燥中も氷点下になったり夜露が当たったり雨に当たる環境ではがれる可能性があります。
寒冷地や山間部での塗装の場合など、一晩は屋内での保管など対策をお願いします。
・結露が起こる環境について
冬季の夜間の塗装では乾燥中に結露が起こることにより、塗膜の不具合の原因になることがあります。結露するような環境での塗装はお避け下さい。
また乾燥中の結露や降雨によって下記のような塗膜に不具合が出る場合があります。

<2液ウレタン>
もともと乾燥が早い塗料なので冬場は塗装しやすいです。ただし0度以下の塗装はお避け下さい。
・シンナーについて
当方から出荷する際、その季節に合ったシンナーをお送りしているので買ってすぐ塗られる場合は問題ありません。
ただ夏場に買ったシンナーで冬に塗装すると乾燥が遅すぎて何日も乾かない場合があります。季節に合ったシンナーの使用をお願いします。
・結露が起こる環境について
冬季の夜間の塗装では乾燥中に結露が起こることにより、塗膜の不具合(白ボケ、硬化不良など)の原因になることがあります。結露するような環境での塗装はお避け下さい。
<ラッカー>
もともと乾燥が早い塗料なので冬場は塗装しやすいです。ただし0度以下の塗装はお避け下さい。
・シンナーについて
夏場に塗装する際に入れた乾燥を遅くするリターダーなどが混ざっていると著しく乾燥が遅くなります。
シンナーの入っていない塗料をあらたにシンナーを混ぜて溶かして使用するなど注意をお願いします。
・結露が起こる環境について
また冬季の夜間の塗装では乾燥中に結露が起こることにより、塗膜の不具合(白ボケなど)の原因になることがあります。結露するような環境での塗装はお避け下さい。
2020年5月28日 | CATEGORY:代表大野ブログ, Q&A, 車刷毛塗り全塗装
タカラ塗料流ツートンカラーの塗り方を説明させていただきます。
ツートンカラーの組み合わせの選び方
当店の提案色カラーの組み合わせだけでもかなりの組み合わせができてしまい、大変難しいのがツートンカラーの組み合わせです。
選ばれる際は色見本をご購入いただいて実際に手元で検討いただいたり、お客様の塗装事例を見て検討いただく方法をご用意しております。
また当店のおすすめの組み合わせというのもご提案しております。
詳しくはこちらのページに記載がありますのでご参考にお願いします。
http://brush-carpaint.com/?pid=149095527

色分けの位置の決め方
位置の決め方ですが、これは特にこうすればいいという方法もなく「適当」に決めるのが正解のようです。
ただ色の組み合わせも難しいのですが、色の配分もイメージを左右します。
1対1ぐらいの配分だとかっこよく感じない場合でも、配分を変えるとすっきりする場合もあります。
こちらはやはりやってみないとわからないところがありますので、やってダメならやり直してみる、というのもありです。
それができるのが刷毛やローラーで自分で全塗装できる良さですね。

塗料の量の決め方
位置が決まれば塗料の量を決定しなければいけません。
その方法は大体ざっくりで面積(㎡)で計算します。
例えば軽自動車のルーフとボディを塗り分ける場合
全長3.4m 全幅1.5m 全高1.5m とします。
この場合まず下のほうの色は
前面1.5m×0.8m + 背面1.5m×0.8m + 側面3.4m×0.8m×2面
= 7.84㎡
上の部分は窓が多い前面、背面、側面はないものとして、
上面1.5m×3.4m
= 5.1㎡
とします。
大体ですが3㎡あたり1㎏の塗料がいるので、
下の色 7.84㎡÷3 = 約2.61kgとなりますので
3㎏
上の色 5.1㎡÷3 = 約1.7kgとなりますので
2kg
必要となります。
ただこちらはあくまで目安となりまして、通常でしたら上記の量だと少し多めになります。
お客様の塗り方や、下地の色が濃くて塗る色が薄い、または透けやすい黄色や赤系の場合など上記より少し多めに必要な場合があります。
当店の提案色の中ではドライドプラムレッドとマットホワイトが透けやすく、上記より1.5倍~2倍必要になる場合があります。
マスキングテープの貼り方
マスキングテープは塗料がはみ出さないようにしっかりと指で押さえて貼っていきます。

位置を決めるのも基準となる部分から何センチ上とか下とかの基準を決めて左右対称になるようにマスキングテープを貼っていきます。
写真では木の棒を基準にして合わせています(笑)

塗る順番
塗る順番は基本的には色のうすい、白い、透けやすいほうをベースに塗ります。
その後濃い、色がのりやすい色を重ねると塗りやすいです。
ただ写真のように垂らしてしまうと修正が面倒なのですが、その修正も刷毛やローラー塗っていると簡単なのであまり神経質になる必要はありません。

マスキングテープを貼った部分の塗り方
マスキングテープを貼ってしまえばあとは塗るだけなのですが、塗る際には念のためマスキングテープ側から色を付けようとしている側に刷毛やローラーを動かして塗ってください。
または刷毛やローラーで垂直に叩きながら塗るのも正解です。
マスキングテープをはがすタイミング
マスキングテープは塗り終わったらすぐにはがしだしてください。
ツートンの境目の塗装の段が気になる
この方法で仕上げとすると、指で触ったらわかるほどの塗装の膜の段ができてしまいます。
これはどうすることもできないので、そのままにするしかありません。
艶有で吹付で塗装する場合は最後にクリアで仕上げるのでその際に段を消すことはできるのですが、艶消しで仕上げる場合はクリアを塗らないので段を消すことができないのです。
クリアを塗らない理由はこちら
http://brush-carpaint.com/?mode=f13
ただそのままでもそこから剥がれたり、汚れがたまったりすることはありません。
少し難易度は上がりますが他にはない一台になりますので、ぜひチャレンジしてみてください!